令和元年度の学習発表会、オープニングは5年生の美しい歌声と威勢のいい太鼓でした。
続いて「二小音頭、令和に復活!」でした。体育館正面右側に掲げられた歌詞、気になっている子は多いものの実際どういう曲なのかだれも知りませんでした。
ある時、棚の片隅から劣化の激しいカセットテープが見つかり、何とかデジタル化に成功。しかし、映像は残っておらず、どう踊っていたのかは不明でした。そこで、6年生が曲と歌詞から、一から動きを考えました。作っては踊り、踊っては変え……。何度も何度もこの作業を繰り返し、出来上がった「令和版二小音頭」が披露されました。
「だれもが覚えやすく、楽しく踊れる音頭にしたい」という思いで創作しました。創作の過程では、「こうつくってみたけれど実際はどうだろう。覚えやすいかな?楽しいかな?」という不安が続きました。そこは、互いに鑑賞し合って意見交換を繰り返すことで、よりよいものになっていきました。試行錯誤の末にできた「令和版二小音頭」どうだったでしょうか。
さて、各学年の発表も試行錯誤の上に出来上がったものです。
「どうすればお客さんが楽しんでくれるかな?」
たくさんのドングリ、松ぼっくり集め、よくがんばりましたね。苦労して集めた材料だからこそ、心を込めて作品にすることができたのでしょう。
「どうすれば時間通りに発表を進められるかな?」
各グループの発表時間は決められています。効率よく進めなければ、せっかく準備した発表が途中で終わってしまうかもしれません。仲間の発表をみんなで大切にする、「ワンチーム」の精神が見られました。
「どうやったらうまく伝わるかな?」
伝えるために大切なこと、それは「大きくすること」です。見せるもの、聞かせるもの(声)を大きくすることは簡単で、最も効果的です。
また、資料を提示することで説得力が増します。根拠となるものをもとに考えを伝えることは本年度の重点的な取組です。
「お客さんを巻き込みたい!」
楽しく巻き込むためには、「クイズ」は有効です。自分たちが学んできたことをもとにクイズをつくるという作業は、学習のアウトプットとなり学びが定着します。
「お客さんと関わりたい!」
発表にも余裕が出てきた6年生。お客さんとの関りを楽しんでいました。対話の中で出てきた質問にも臨機応変に返答し、大人のお客さんを「へ~」と、感心させる場面も見られました。
思いをもってやったことだからこそ、満足できた部分だけでなく「もうちょっとだったな」と思う部分もあったことでしょう。校長先生の話の中で、「失敗しちゃった」と話していた子がいたということがありました。きっとその子は、自分が目指す「こういう発表にしたい」というものがあり、それが実現できたかどうか考えたのでしょう。「どうだったかな?」と自分で振り返ったりだれかに聞いたりすることが成長のポイントだと思います。
学習発表会参観中に小さな紙きれを拾いました。そこにはこう書いてありました。「早口だよ。なおそう。お客さんの顔をしっかり見ること。大きい声でがんばって!!」私には、友だちの発表がよりよくなるように本気で書いたメッセージだと感じられました。これをもらった子はどう受け止めて本番を迎えたでしょうか。「どうだったかな?」に対して返ってきた「こうだったよ」を受け止める度量があること、そういう謙虚さをもつことも成長のポイントだと感じました。